餃子とジビエ タビビトハンテン.〈札幌市中央区〉

Let’s Eat 北海道ポーク!
<オススメの一品>「茹で餃子(5個)」495円(税込)

口の中をつるりと流れる、飲みものような「茹で餃子」

 電車通り(「中央区役所前」と「西15丁目」の中間あたり)に面した、レトロな鉄筋コンクリート造りの「三誠ビル」にある餃子とジビエ タビビトハンテン.」。東側の入口から店に入ると、目に付くのは壁に貼られた「餃子はのみもの」の文字。

「のみものって?」という疑問を解決するには、まずは看板メニューの「茹で餃子」を。驚くのは皮の食感で、つるるんとしていて、滑るように口の中を動きます。「この流れるような独特な舌ざわりが『のみもの』の由来で、茹で餃子ならではの味わいです。本店『tabibito キッチン/札幌市中央区南2西7 M’sスペース2階』の人気メニューでもあり、うちは餃子と道産のジビエをメインにした姉妹店です」と店長の中村真也さんは話します。

近くにオフィスや学校があるため、ランチでも臭いを気にせず食べられるようにと、具材にニンニクを使っていないのも特徴です。

肉のおいしさを堪能できるよう、具材がたっぷり

具材は、豚肉とハクサイ、ニラと実にシンプル。豚肉は当別町にある浅野農場の「スマイルポーク」を使用しています。「当別産の小麦を食べ、健康的に育ったスマイルポークのおいしさを堪能していただきたいので、あえて皮を小さめにして、あんをたっぷり入れています」。餃子を包む際には、皮からはみ出すようにあんを詰め、はみ出したあんを取り除きつつ、ひだを付けていきます。「こうすると、あんをびっしり詰められ、肉々しい食感になります。あんの水分があるので水を使わずに皮が付き、水っぽくならずにすみます。浅野さんの豚肉はアクが少ないので、茹でていても水がきれいです」。

茹で上がった餃子はネギを散らして、茹で汁と自家製のかえししょうゆをかけます。あっさりとした口当たりで、プリプリの皮の中から肉のうまみがじんわりと浸み出してきます。スープもおいしく、ぺろりとたいらげてしまいます。

生産者に会うことで、肉への思い入れが深まりました 

焼き餃子も人気で、肉汁たっぷりでジューシー。仕上げに振りかけたゴマ油が、ほのかに香ります。「うちの餃子は優しい味。まかないで毎日のように餃子を食べていますが、飽きませんよ」とスタッフの上坊寺肖奈さんが言うように、いずれも下味は薄めなので、肉そのものの味がストレートに伝わってきます。まさに肉を味わう餃子といえます。

「浅野農場から直接仕入れているので、生の肉を使っています。これもおいしさのポイントでしょう。以前、スタッフと一緒に当別の直売所に浅野さんを訪ねたのですが、その時に豚の育て方やエサのことなどを丁寧に説明してくださいました。それを聞いてから、肉に対する思い入れがぐんと深まりました。ちなみに、店の内装は僕と友人で手掛けたのですが、壁を塗ったり、椅子を作ったり、自分が手をかけた店には愛着を感じます。同じように浅野さんも丹精込めて育てた豚には愛着があるでしょうから、うまい料理に仕上げようという気持ちが沸いてきます」。

店の奥には個室があるので、小さな子どもがいる際はそちらでゆっくりと。冬場は、とんこつスープに、餃子とハクサイ、ニラが入った「ハンテン餃子鍋」が登場。つるりと餃子を流し込みつつ、体の芯から温まれます。

「焼き餃子(5個)」495円(税込)

餃子とジビエ タビビトハンテン.

札幌市中央区南1条西13丁目三誠ビル1階
TEL:011-522-9442
月曜~金曜 11:30~14:00 15:00~24:00
土曜・日曜 15:00~24:00
月曜休

Pork Information

札幌から車で45分ほどの当別町にある「浅野農場」。ここで生産する「スマイルポーク」は、地元で収穫された小麦を食べて育っています。出荷前の仕上げの時期に与えることで、脂の白さが際立ち、甘味とコクをもたらします。人の健康に良いものは豚にも良いという発想から、水は変換機にかけることでアルカリ化し、カルキを除去したものを与えています。SPF認定(特定の病原菌を排除した豚)を受けた農場内では、もみ殻を敷き詰めたふかふかのバイオベッドの上を、豚たちが元気に駆け回っています。

※この記事は2021年3月現在のものです