生産者向け情報

HPA便り25号「26年度臨時総会」及び「PEDの発生状況と対応」

 

■ 26年度臨時総会を開催しました
7月29日の臨時総会は、麦の収穫等農作業や豚流行性下痢の道内発生にも関わらず、各代議員のほか、北海道農政部生産振興局畜産振興課家畜衛生担当課長西英機様ほか多くの来賓・地区事務局の出席を得て、開催することができました。

● 農場記帳優良農場の表彰
 平成25年度の農場記帳優良農場として、農場記帳及び北海道ポークへの取組みが評価された上川養豚振興会鈴木信一会員(富良野市)が表彰され、富樫会長より表彰状及び副賞が授与されました。

● 総会主要議事内容の紹介
 北海道2t会田中代議員が議長に選任され、議事の進行をいただきました。

【開会挨拶要旨】富樫会長
本日は、大変お忙しい中、お集まり頂き、誠に有難うございます。また、ご出席頂きました多くの来賓の皆様には、日頃から大変お世話になるとともに、この度のPEDの発生に際し、情報提供、病気の拡大とまん延防止等に対し、多大なるご指導とご協力を賜り重ねて感謝を申し上げる次第です。
平成26年度第9回定期総会は、5月29日に開催する予定で準備して参りましたが、PEDの発生に伴い、やむを得ず、書面による総会とさせて頂き、代議員の皆様の理解の下、提出した全ての議案に承認を頂きました。また、役員改選では、理事2名監事1名の交代がある中、三役、代表監事は、以前と変わらぬ体制で協会を運営していくこととなりました。今後、2年間よろしくお願いいたします。したがって、代議員の皆様の直接の声を聞くことが出来なかったため、今回、臨時総会を開催する運びとしましたので、今後の協会運営のために多くのご意見を頂戴したく、よろしくお願いいたします。
昨年、沖縄県で発生したPEDは、年末年始に鹿児島県や宮崎県を中心に徐々に増加し、一時沈静化すると思われていましたが、3月頃から全国的に拡大しました。協会としては、緊急防疫対策事業として、25年度予算で、踏込み消毒槽を配布し、注意喚起を行って参りましたが、残念ながら4月に1例目が発生し、現在のところ、23例に至っており、大変大きな被害になっております。被害に遭われた生産者には、心からお見舞いを申し上げるとともに、1日でも早い清浄化をお祈り申し上げます。また、4月1日から消費税8%に対応するため、チェックオフ単価を50円から51円の改正をお願いし、総会の決定として承認を頂いたことに感謝を申し上げます。また、活性化奨励金の単価も、北海道畜産公社様の絶大なご理解を賜りまして、同じく1頭当たり51円として頂きました。誠にありがとうございます。今後とも、効率的な執行に努めて参ります。
平成26年度予算については、既に承認頂いておりますが、急激な情勢の変化に対応して行かなければなりません。また、今年度理事会で協議の上、目的積立金を取崩し、既に消毒薬の配付を実行しております。

また、先の総会では、2件の特別決議を採決させて頂きました。
1つ目は、「TPPに関する国会決議の実現を求める決議」として、TPPに関する国会決議の遵守と差額関税制度の堅持、食の安全の確保、検疫等の国境措置の堅持の3点です。

もう1つの特別決議は、「北海道養豚の振興及び安定に関わる緊急要請」で、輸入豚肉に係る差額関税制度の厳格運用と、関税収入を財源とした養豚振興策を講じること。2つ目は、PEDの侵入経路の把握及び、感染拡大の原因究明を行うとともに、PEDワクチンの安定供給体制を早期に確立すること。養豚農家やと畜場等における防疫対策の更なる強化と、継続的な実施に向け、消費・安全対策交付金の拡充等による支援策と十分な予算を確保すること。3つ目は、養豚経営のセーフティネットである養豚経営安定対策事業の積立割合を、肉牛等と同様の3対1に引き上げる等、本道養豚の実情に即した内容にすること。4つ目は、我が国の養豚産業が、将来に渡って継続可能な安定した産業として発展出来るよう、養豚振興の基本となる養豚振興法(仮称)を早期に実現することであります。以上の特別決議については、関係機関、本道選出国会議員に対して、強力に要請を行っています。養豚振興法は、既に成立しましたので、残りのTPPやPED、経営安定対策事業の問題については、引き続き強力に要請して行く考えです。

今、本道の養豚は、重大な危機に直面しており、TPP交渉の行方、PED対策、飼料やエネルギーの高騰等によるコスト高、少子高齢化、消費の動向、国際情勢の変化等、数え上げれば切りがありません。個人個人では対応できない課題も非常に多くなっておりますので、会員の皆様の結集により、諸問題に対応してまいることとして、挨拶とします。

【議事結果】
Ⅰ 平成25年度事業報告
事務局から平成25年度事業報告及び決算等について説明があった後、質疑に移り「北海道埼牧心友会」の西原代議員から、①豚枝肉の歩留り問題は、数年前から継続して事業を行っているが、役員の取組状況はどうしているか、また、②養豚経営安定対策事業における豚枝肉価格は全国一律で算定され、北海道内の取引実態からみると不利な状況にあるため、以前の地域養豚のような運用になるよう、国に陳情して頂きたい。との発言がありました。
これに対し、富樫会長からは、歩留りについては、屠畜場調査の機会や関係団体と意見交換や認識の共通化を図ってきたところであるが、今後も粘り強く進めていく。また、養豚経営安定対策については、肉牛のマルキンと同じ生産者負担割合にすることとを求めていくとともに、来月農林水産省や農畜産業振興機構と意見交換を行い、北海道固有の課題について理解を求めていく旨、説明がありました。

さらに、入舩代議員からは、協会未加入生産者がまだ多くいるので、協会の事業・趣旨について説明し、入会いただくよう働きかけをお願いする旨の発言がありました。
富樫会長からは、役職員のほか、地区組織・会員のご協力もいただきながら、要望の趣旨に沿って活動を強化したい旨の説明がありました。

Ⅱ 26年度事業計画
事務局から、総会議決の内容に沿った事業・予算の適切な執行を基本にしつつも、PEDによる出荷・チェックオフ資金への影響が避けられないので、総会理事会・各委員会で適切な事業・予算の執行について決定いただく旨の説明があり、了承されました。

Ⅲ 役員紹介
26年度以降の役員体制について、三役・委員長が留任となったことに合わせて、新任の上川養豚振興会鈴木正理事、北海道日配ハイポー養豚研究会春日弘理事、中瀬新監事をはじめ、全役員の紹介が行われました。

Ⅳ 養豚農業振興法の公布及び養豚農業振興に係る要請
6月27日施行された養豚生産者待望の「養豚農業振興法」の成立経過及び内容について、事務局及び富樫会長から説明がなされた後、農林水産省「養豚農業の振興に関する基本方針」パブコメに積極的に応募することが確認されました。
<農水省、パブコメ・振興法関連HP>http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_kikaku/140710.html

続いて、農林水産省の27年度予算概算要求に向け、養豚振興法に基づく養豚振興対策の充実及び経営安定対策事業の積立割合の引き上げ、さらにはPED関連では発生農家の経営対策・清浄化対策及び防疫対策ほか、並びにTPP交渉では豚肉関税の堅持を内容とする「養豚農業振興に係る要請書」を、中川衆議院議員を始め道内選出29国会議員に7月25日に送付したことが報告されました。(要請内容は、協会ホームページでご覧ください。)

【閉会挨拶要旨】田畑副会長
本日は、大変お忙しい中、皆様方にご出席を賜り感謝を申し上げます。また、西課長からは、PEDの情勢報告として、皆様が心配していることを細かく丁寧に説明をして頂きました。我々は、衛生対策に更に一層熱を入れてやらなければならないと再確認させて頂きました。皆様方と共に、一生懸命頑張りたいと考えます。
本日、総会の承認を受けた我々執行部は、会員のメリットに繋がるよう、本年度事業に一生懸命努力してまいりますが、執行部だけでは事業は成り立ちません。
そのためには、会員の理解を頂きまして、事業に参加をして頂くことが、執行部の願いであります。執行部と会員の絆を深くする為に、代議員の方と事務局を通じて、執行部は、いつでも地域に出向こうと話合いをしています。意見をお寄せ頂いて、皆様のために頑張りたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

■ PEDの発生状況と対応について
総会後、北海道農政部畜産振興課西家畜衛生担当課長から、「豚流行性下痢の発生状況と対応について」と題し、PED及び口蹄疫の最新情報の講演をいただきました。
ここではPED説明のポイントのみ紹介させていただくこととし、協会ホームページの講演資料を是非参照してください。

● 豚流行性下痢とは
 哺乳豚では食欲不振と水様性下痢、嘔吐としてあらわれ、特に10日齢以下では、脱水によりほぼ100%死亡する。一方、育成豚・肥育豚・成豚では軟便にとどまり約1週間程度で回復するが、症状が治まっても1か月くらいウイルスが排泄される例がある。
ウイルスの消毒には逆性石鹸などの消毒薬で効果があるが、糞便1g中には、10億個のウイルスが含まれ、10個のウイルスでも感染につながることから、ウイルス自体弱くとも、感染力が強いということが対策の難しさにつながっている。

● 全国及び北海道の発生状況
昨年10月に沖縄で発生したPEDは年末・年始に九州を中心に発生し、落ち着くかと期待したが、その後、愛知・青森へと飛び、全国的な広がりを見せ、4月末には北海道でも発生した。7月29日現在、道内では、23農場の発生を見ているが、20農場で沈静化している。

● PEDに対する道内の取組
家畜保健衛生所では、「朝豚舎へ行ってみると、子豚の様子がおかしい・・」などと、農場からの連絡を受けると、直ちに聞き取り、臨床検査、病性鑑定を行うとともに、発生確認後は、防疫対策の指導をしている。
未発生農場に対しては、PED防疫対策として、出入り口の閉鎖、出荷車両(車両下部だけでなく荷台や運転席)の消毒に取り組むよう指導している。また、屠畜場での対策として、出入口には消毒帯の設置、出荷車両の洗浄・消毒体制の整備をお願いした。
一方、農水省では、防疫マニュアルの作成や防疫対策の支援を含む防疫対策の徹底及びワクチンの円滑な供給(備蓄含む。)、感染経路の究明、発生農家の経営安定対策について、現在検討している。

● これから秋冬に向けた対策は?
①ウイルスを入れない
部外者を管理区域に入れない、入るなら消毒の徹底(消毒済み衣服、消毒液は毎日交換、手洗い消毒)
②消毒を徹底しましょう
家畜運搬車の運転手、車両も必ず消毒
③専用の衣服及び靴の設置・使用(豚舎ごと)
④導入豚は隔離しましょう
隔離施設で2~4週間着地検査、導入先のPEDの有無を確認
⑤農場訪問者記録を付けましょう
記録は1年間保管

● ワクチンを接種する
ワクチンは哺乳豚が母豚の抗体を含んだ乳汁を間断なく吸引することで、腸管粘膜を抗体で被覆し、ウイルスを中和する働き。秋冬に向けてワクチン接種率を引き上げることがウイルスのまん延防止にも必要です。

今後とも家畜保健衛生所の指導や飼養衛生管理基準に基づき、「やってるつもり」、「できているはず」ではなく、「やれているか」、「できているか」の再確認をお願いします。

 

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